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エアボーン社の最新トップレスハンググライダーは機体重量が軽くなり、よりクリーンになった翼型はエアボーンの新しいキャンバーコントロールシステム(CCS)によって高速時の翼形状を制御
REV(レブ)には一見して前作C4との明らかな違いがいくつもあります。翼平面形はミッドスパン(片翼の中央付近)のコード(翼弦長)がわずかに増し、カーブチップ付け根はより浅い滑らかな角度でスパーからつながり、ダブルサーフェス比が増しました。
セールは今までにない最高にクリーンな仕上がりを見せ、VGオンでのシワのないビンビンの張りは見事なものです。翼上面セールのレイアウトは一般的な「リム&フィル」スタイルとなり、荷重のかかる翼の前後縁「縁取り」部には厚手のセールを配しています。残りの「フィル」部には軽量でより柔軟なラミネートセールを用い、最低限の伸縮性によりセールに張りと滑らかさを与えています。下面セールは今までの機体よりもずっと強く張られていますが、高速飛行時の外翼下面のふくらみによる翼型の最適な変形は生じるようになっています。セール関連では他に、キール露出部のクロスバーテンションパーツを覆うフェアリングが標準装備され、クロスバーを張った後、このジッパーを閉じるとキールポケットの延長を形成するフェアリングによってリアキールの金具類が隠されます。
翼の内部に画期的なキャンバーコントロールシステム(CCS)を見ることが出来ます。高速飛行ではバテンを上向きに湾曲させる力がかかりますが、それを制御し、さらにより高速滑空に適した翼型へ変形させる機構です。CCSはVGをフルオン近くまで引いてきたときに効き始め、正確な翼型を形成し、この翼型制御によって、より抵抗の少ない翼型が得られます。前述の高速での翼上面のゆがみは以前からいろいろな機体でよく観測されており、その抵抗による損失は明らかです。新しい翼型と大きくなったダブルサーフェス、そしてさらに向上したピッチ特性により、驚くほど幅広いスピードレンジにわたってREVのピッチ反応はスムーズです。
標準のコントロールバーは新型のエアフォイル アップライト(55mm x 26mm)で、オプションでマイクロドラッグ アップライト(76mm x 21mm)もあります。ベースバーは丸断面が標準ですが、フェアードのアルミ製スピードバーやカーボン製スピードバーのオプションも用意しています。これらのベースバーは全てお互いにどちらのアップライトとも取り替え交換可能です。スプログの受け軸は全て合金製で2軸でスムーズな動きをし、調整もシンプルになっています。チップロッドの角度調整はジャッキボルトを回すだけで簡単にできる優れた調整システムです。セール止めはリアスパーエンドの後ろ側にあり、セールテンション調整が可能です。新しく開発したリアキールのスタンド機構は以前からあるものより凝った形ですが、他のどんなものよりもはるかに実用性に富んだものです。これはリアキールに19mmのエクステンションをを付けておいて、これがフロントキール側の後ろに差し込まれるようになっているもので、機体の組み立て時にしっかり安定している、とても扱いやすいものです。
この機体を担いでみたときに機体重量が軽くなっていることに気づくはずです。この重量軽減のうちかなりの部分は外翼部で達成されており、翼端側の慣性重量が減ったことでコントロール性が大きく向上しました。この重量軽減をもたらしたのは:
・ カーボン/グラス チップロッド
・ カーボン リアスパー
・ カーボン 横渡しバテン
・ ウイルスウイング社製クロスバー/スパー 接続パーツ
~とても軽量ながらスパーのねじれを最小に抑え、スプログを低く設定することが可能に。
・ アラン・ダニエルのウイングテック社製のセールは、C4に比べて10%軽量化。
・ VGシステムは従来型のクロスバーセンター移動方式へ変更して大幅な簡略化となり、パーツ点数と重量を削減。ダブルサーフェス内に収まっているVGプーリーシステムにより、とても軽く引けます。
・ 軽量バテン
・ カーボン前縁インサート
・ カーボン スプログ
(以下にアダム・パイラーの試乗記の抄訳を掲げます。)
すでに大会での好成績で評価の高いREVだが、実際どんな飛びなのか?C4の素晴らしさを知るパイロットにとって、REVのコントロール性がC4よりもさらに素直でクセのないものになっていると聞くと、よくわかるだろうし、あるいは驚きを通り越してちょっと信じ難いと思うかも知れない。最小沈下から失速の間は幅広く、失速のかなり前から予兆がある。失速速度自体、低速性能が良かったC4に比べてもさらに1~2ノット(2~4km/h)低い。ロールレスポンスもC4同様に良好で、しかももっとマイルドになり、旋回中に速度を落とし過ぎた場合に翼端が落ちる傾向が弱まり、その発生も遅い。ロールとヨーのコーディネイトは素晴らしく、C4よりさらに良くなっている。
その幅広い速度域の全域にわたってピッチのバープレッシャーは滑らかに変化し、どこかで重さが急に変わるということなく、うまくならしてあるという感じであり、これがREVの気持ちの良いフライト感覚に大きく貢献しているのではないかと思う。そのため乱気流に対しても安定感が増している。今までの機体は特定のVGセッティングについて見ても、全てピッチが怖いくらい軽いかあるいはどこかで重くなってしまうか、であったが、REVでは全域にわたってピッチのバープレッシャーがうまく配分されている。VGオン側でピッチは自然な感じで軽くなっていくが、完全にプレッシャーがなくなったり軽くなり過ぎるということはない。また、VGフルオンでも比較的良好なロールレスポンスを残している。
では、トーイングはどうだろうか?一言で言えば、「レールに乗っているように」安定していて曳かれやすい。とても素直な予期しやすいコントロール性のおかげもあってか、一番トーイングしやすい部類であり、C4と比べても、REVはさらにトーイングしやすい。、VGを張りすぎてしまっても、揺れたり「泳いだり」せずに制御可能だ。タグ機で曳かれている間、何らの問題も起きなかった。
サーマリング特性は、C4を含むクライマックスの系譜とは全く異なる設計となったことを実感させる。REVのサーマリング特性はこれら前作までと異なっていて、リフトの中でちょっとハイサイド(外乗り)して安定させながら翼端を立てているのがとても快適で、リフトの突き上げに対して押し出すと内側へ滑らることなく旋回半径とバンク角がちょっと絞り込まれ、リフトをしっかり吸いとってくれる。サーマリングが楽で文字通り疲れない。他のトップパイロットたちが飛んでいる機体と比べた場合、REVの上昇性能はどうなのか?カヌングラ クラシック大会に参加したパイロットたちの多くは、いかなる点においてもREVが一番上昇率が良いことを実感したはずだ。
高速グライドあるいは最高速度で飛んでいても、リフトを感じとることが出来る。リフトに入ったとき、穏やかながらバープレッシャーのフィードバックははっきりとしていて少しノーズが上がりたがる。これで高速グライド中にバリオを見たり聞いたり出来ないためにに、あるいはもっと重要な点で言えば気流を感じ取れないゆえに、リフトを突き抜けてしまう、と言うことがなくなる。これは予期していなかったとても素晴らしい特性で、潜在的に莫大なアドバンテージとなっている。REVの低い沈下率とあいまって、これは超長距離グライドで大きな違いを生み出してくれる。
開発主体のエアボーン社とセール担当のウイングテック社との協力体制の下に行なわれた製作現場での長時間にわたるハードワークと意欲的な設計によって、素晴らしい性能と最高のコントロール性を備えた極めて高品質の機体が完成した。すでにREVは今ある他の素晴らしい機体と比べてもその競争力の高さを実証してきている。パイロットにとって性能以外の要素では、何と言ってもコントロール性の良い機体が欲しいところだが、REVはまさにそれだ。
翼の内部に画期的なキャンバーコントロールシステム(CCS)を見ることが出来ます。高速飛行ではバテンを上向きに湾曲させる力がかかりますが、それを制御し、さらにより高速滑空に適した翼型へ変形させる機構です。CCSはVGをフルオン近くまで引いてきたときに効き始め、正確な翼型を形成し、この翼型制御によって、より抵抗の少ない翼型が得られます。前述の高速での翼上面のゆがみは以前からいろいろな機体でよく観測されており、その抵抗による損失は明らかです。
新しく開発したリアキールのスタンド機構は以前からあるものより凝った形ですが、他のどんなものよりもはるかに実用性に富んだものです。これはリアキールに19mmのエクステンションをを付けておいて、これがフロントキール側の後ろに差し込まれるようになっているもので、機体の組み立て時にしっかり安定している、とても扱いやすいものです。
REV 13.5 and REV 14.5 |
||||
REV 13.5 |
REV 14.5 |
|||
Metric | Imperial | Metric | Imperial | |
Sail Area | 13.43 sq m | 144 sq ft | 14.45 sq m | 156 sq ft |
Wing span | 10.04 m | 32.9 feet | 10.64 m | 34.9 ft |
Aspect ratio |
7.5 |
7.8 | ||
Nose angle |
126-131 degrees |
126-131 degrees | ||
Double surface % | 95% | 95% | ||
Battens | 24 + 6 | 24 + 6 | ||
Glider weight |
33 kg |
72 lbs |
35 kg |
77 lbs |
Pack up length |
5.0 m |
16.4 ft |
5.3 m |
17.4 ft |
Short pack length |
3.9 m |
12.8 ft |
4.2 m |
13.77 ft |
Recommended pilot hook in weight range (inc equipment) |
70-105 kg |
154-231 Ibs |
85-120 kg |
187-264 lbs |
VNE (Recommended Velocity to Never Exceed) |
90 km/h |
55 mph |
90 km/h |
55 mph |
VA (Recommended Max. Rough Air Manoeuring Velocity) |
74 km/h
|
46 mph |
74 km/h
|
46 mph |
VD (Maximum Steady State Velocity) |
125 km/h
|
78 mph |
125 km/h
|
78 mph |
Table 2 Specifications Note: The stall speed of the Rev at maximum recommended wing loading is less than the minimum requirement of 25 mph (40 km/h).
Conversions: * 0.4536 kg/pound * 25.4 mm/inch * 1.609 km/mile
Va = Test speed x 0.707
Vne = Test Speed x 0.816